みなさんやっほー!
今回は、私タヌキの実家に市営住宅センターから突如届いた手紙で、騒然となったお話です。
目次
他人事ではない!?相続問題
みなさんは、相続について考えたことはありますか?
私の親は相続するような財産を持っていないし、相続問題なんて自分には関係ないと思っていましたが、相続ってプラスの財産だけが対象ではなく、マイナス…つまり借金なども相続するってご存知でしたか?
このことを知ったのは働き始めたばかりの10代後半。不安の波に飲み込まれて『どうしよう』という文字で頭が埋め尽くされ血の気が引いていくのを感じました。
なぜなら、私の母親は借金を繰り返す人だったからです。
すでに私のお給料は父には内緒で作ってしまった借金返済にあてていたり、足りない生活費にあてたりしていましたし、友達と遊ぶことも月に1回程度。
そんななか、相続のことを知って怖くて怖くて…不安と怒りと、これからのお先真っ暗人生[親とはいえ人のつくった借金を、私が返していかなくてはいけない日が来るかもしれない]絶望感。不安に押し潰されそうな日々でした。
当時の私はあまりにも無知だったので、ただ怯えることしかできませんでしたが、のちに【相続放棄】を知ることになるのです。投資詐欺のときもそうでしたが、知識って本当に大事!
うちは大丈夫だと思いがちですが、借金問題は意外とあなたのすぐそばで息を潜めています。
え?わたし誰の相続人になったの?
それでは本題に入っていきます。
ことの発端は、母に届いた市営住宅センターからの一通の手紙。
実物がなくて申し訳ないんですが、簡単に説明すると以下の通りです。
- 〇〇〇〇さんが亡くなった
- あなた(母)には家財を処分する義務がある
- この手紙に対応しない場合、損害金が発生することがある
- あなた(母)以外にも、相続人にあたる人物には同じ手紙を出している
母が市営住宅センターへ電話をして聞いた内容も含まれますが、大体こんな内容でした。
この手紙を読んだ母が思ったこと、それは…
『え?だれ??』
同時期に母の兄にも手紙が届いており、こちらも母と同じく『え?だれ??』状態。
連絡を取り合い、〇〇〇〇さんが一体何者なのかを思い出すことになるのです。
被相続人の正体にビックリ
兄妹で昔話をしながらたどり着いた人物、それは母の母親(私の祖母)の異母妹(以後、Aさん)でした。
そして驚くのがここから。現在、母は72歳なのですが、なんと母がAさんに最後に会ったのは母が幼稚園のとき。実に65年以上経過しており、会ったことも最後を含めて2回ほどの関係性。存在すらきれいサッパリ忘れていた人物であることに、驚きとともに恐怖すら感じませんか?
こんな誰かも思い出せないような半世紀以上も会っていない人の相続人になる可能性があるんです。
どうする会議
Aさんが亡くなるまでにどんな人生を送ってこられなのかは不明でしたが、亡くなったあとに母兄妹のところにまで連絡がくるということは、最期はそばに誰もいなかったのだろうと少し切なくなりました。
しかし、そんな会話をしていてふと「借金あったらやばくない?」と。一気にセンチメンタルな気分ぶっ飛び、現実が…。
で、出した結論が【相続放棄】でした。
迷わず相続放棄を選んだ理由
相続放棄を選んだのは『不安を抱えたまま生活したくない!!』これに尽きます。
市営住宅センターから手紙を受け取ってAさんが亡くなったことを知ってしまったから。
なぜって、相続放棄はその事実を知ってから3ヶ月以内にしなければいけません。(詳しくは次の項目で)
半年後、1年後に消費者金融などから督促状が届くかもしれない…と心のどこかに不安を抱えながら生活するのは嫌すぎる!
今回の件は、市営住宅センターから手紙に「この手紙に対応しなければ損害金が発生するかもしれない」というのが書いてあったのも決め手のひとつでした。
そもそも相続放棄って?
そもそもなにそれ?な方に簡単に相続放棄を説明しますね。()内は今回の件の登場人物や事柄を当てはめています。
相続人(母兄妹)が被相続人(Aさん)の遺産の相続を放棄することで、相続放棄をするとマイナスの財産(負債など)を相続することはないが、プラスの財産(預貯金・不動産など)も相続することはできません。一切の権利を放棄するということです。
相続放棄の期限は、相続開始知ったときから(市営住宅センターから手紙を受け取った日)3ヶ月以内。この期間内に家庭裁判所に申述する必要があります。
相続放棄できないこともある
・3ヶ月過ぎてしまった
先ほども書きましたが3ヶ月過ぎてしまうと相続放棄できません。
正当な理由かつ認められれば3ヶ月を過ぎても相続放棄できることもあるようですが、稀ですので早めに行動することをオススメします。
・プラスの財産に手をつけてしまった
いいとこ取りができないのが相続放棄。プラスの財産に手をつけてしまったら、マイナスの財産も相続しなければなりません。オイシイ思いだけさせてくれよ〜と思いますがこれが現実なり。
ここでさらに注意が必要なのが、葬儀費用を被相続人(亡くなった人)の財産から出したとき。
葬儀費用に関しては被相続人の財産を使用することは可能ですが、盛大な葬儀などはNG!身分相応な葬儀でなくてはなりません。
葬儀って故人を思う気持ちだったり残された人間の見栄だったりで盛大にしがちだったりしますが、相続放棄をする場合には注意しておきましょう!
裁判所から要求される場合もありますので、相続放棄完了するまで葬儀にかかった費用の領収書はしっかりと保管しておいたほうがいいと思います。
今回の騒動の結末
今回私達は、知人の司法書士に依頼して相続放棄をしました。
費用は母と叔父2件合わせて15〜16万円ほど。(※司法書士によって料金の違いなどありますので、参考までに。)
相続放棄前に、Aさんの遺品整理をする身内の方が見つかったと連絡がきたので、母の兄は相続放棄をやめようかといい出しましたが、先ほども述べましたが3ヶ月経過して借金があったと分かった場合、相続放棄出来ないのは困るので、母は相続放棄を選びました。結局、叔父も相続放棄。
数ヶ月経過して、やはり不安の種はないに越したことはないと実感しています。
タヌキの雑談
今回も最後まで読んで頂き有難うございます!文字ばかりで読みにくかったらすみません^^;
相続や遺言・債務整理など深くは書かれていませんが、頭の片隅に入れておくといいなと思うことが描かれている漫画があります。
『いつかティファニーで朝食を』で有名なマキヒロチさんが描かれている【夫の遺言】です。
ライトに読めるので頭がこんがらがることなく読めるのでオススメです。
こちらもオススメ!ネット社会の現代人、明日は我が身かもしれない。誹謗中傷問題にフォーカスした作品です。少しこんがらがりそうになりますが、漫画だから断然頭に入ってきやすいです!
誹謗中傷。いつ自分が被害者にも加害者になっても不思議ではない現代。そんな今のストッパーになるのではないかと思える作品です。
難しい知識も、漫画だとスッと入ってくる不思議。色々なことを頭の片隅にとめて、より良い自分とその先を創っていきたいものです。
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年末年始で家族や親戚で集まることが増える時期でもあります。相続というとあまり良いイメージがわかないし、縁起でもない!と思いがちです。ですが、みんなが集まるときだからこそ、みんなが心も体も元気なときにこそ、話し合っておくべきことなのだと思います。
キツネのおばあちゃんがそうでした。生前にしっかりと分配を決め、それぞれにしっかりと説明をし争いの火種を残しませんでした。そのおかげで揉めることなく全てスムーズに進めることができたのです。
今回、我が家にふりかかった相続問題。目にしてくださった皆さんが、自分の・家族の・今とこれからを考えるキッカケにしていただけたら嬉しいです。
それでは!また!